生田緑地観察会“冬の谷戸の自然”
主催 青少年科学館


日時 2012/1/8(日) 10:00〜12:00 晴 
ガイド講師 水田ビオトープ班 岩田臣生 
観察会参加者 

水田ビオトープ班として生田緑地観察会のガイドを行ったのは2009年1月が初めてのことで、今回が4回目の冬の谷戸の観察会です。 野鳥以外の生物の観察会を行うことが難しい季節に、特定の生物を対象にしたものではない別の枠組みの観察会を試すことにしたものです。
私たちは冬でも活動しながら冬景色を楽しんでいるので、普通に自然を観察しながらの散策を楽しめると思ったことからガイドを引き受けました。 また、特定の植物の学習ではなく、生田緑地を知ってもらいたいという思いもありました。
今回は「手配写真」の植物を捜すというゲーム性も取り入れてみました。 参加者からの質問を受けて、こんな要素も取り入れるといいだろうというヒントも戴きました。

1月6日に下見をした時には出会えなかったフユシャク類♀が手摺りの上に出ていてくれました。
20人を超える人がルーペで観察しても逃げません。 翅の無い体はルーペで見ると怪物のようです。 厳寒期にしか出会えない昆虫を観察することができました。
手摺りの上は様々な昆虫に出会える場所ですが、午後になって、同じ場所の反対の方で別のフユシャク類♀(チャバネフユエダシャク)が出ていたことが分かりました。
ともあれ、生物は観察しやすい場所で必ず出会えるというものではないので、フユシャク類だけを目的にした観察会のガイドは小蛾の専門家でも難しいことと思います。
その点、谷戸の自然の観察会では出会えたらラッキーとして開催できます。 そして、生田緑地には、こんな生物が棲息しているということを、小蛾に関心を持っていなかった普通の人たちにも、知ってもらい、 生田緑地の自然の奥深さに気付いてもらうことができるたと思います。

樹林の下草刈りをしても林床が暗いと常緑のキヅタやアズマネザサなどしか繁茂できないことも観察しました。

萌芽更新地区は観察会でも使える雑木林という目標植生としましたが、昨年末の活動でアズマネザサを刈っておいたので観察しやすい場所になっていました。
ゴンズイ、ミヤマガマズミ、トキリマメなどの赤い実、ジャノヒゲの青い実、カシワバハグマ、コウヤボウキ、ホトトギス、ヤマホトトギスなどの実、 ニワトコの葉痕、そして、コナラ、クヌギ、サクラ類、シデ類などの木肌ウオッチングなど、皆、冬の植物観察を楽しんでいました。

上の田圃では、私たちが管理しているからできることとして草地に入らせてアカバナの実を観察してもらいました。
ここには春を待ちかねたように、ウシハコベが咲き、ギシギシ、セリなど新葉を広げて、緑の草地が広がっていました。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation