生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“里山の自然”

日時 2019/5/12(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 7人(大人 7人、子ども 0人)
       麻生区 2人、多摩区 2人、宮前区 2人
       横浜市 1人

観察コース:青少年科学館前(集合)〜中央広場北雑木林〜クスノキの辻〜七草峠〜谷戸の降り口〜ピクニック広場東斜面〜萌芽更新地区上の自然探勝路〜 ハンノキ林上のデッキ〜谷間の探勝路〜梅畑〜上の田圃〜下の田圃〜ヨシ原地区(解散)

生田緑地観察会「里山の自然」は、生田緑地の自然を訪ねる観察会です。
生田緑地の自然を保全する活動を行っている水田ビオトープ班がガイドを担当しています。
今回は参加者が少なかったので、プライベートな観察会のようでした。
まずは、中央広場北雑木林 A26 の観察から始めました。
ヤマツツジは終盤でしたが、コナラと雑木林の観察、林床の草本の観察などを行いました。
5/5(日)の生田緑地観察会「種子植物」でも、この場所を観察し、主要な植物については説明していたようです。

七草峠付近には、ニガナやオニタビラコが咲いていました。

生田緑地では、キアシドクガが昨年以上の大発生のようです。
ミズキの枝先の葉は殆ど食べ尽くされて、生田緑地整備事務所の外壁には、沢山の幼虫が上り、蛹化を始めています。
この光景を観察しました。

谷戸に降りました。
タマノカンアオイハンショウヅルオカタツナミソウを観察しました。

ダイミョウセセリが、野鳥の糞を夢中で吸っていました。

萌芽更新地区の説明をしましたが、園路近くのツルニンジンが刈られてしまって、 最近、花を見られなくなっていることの方が重大な関心事だったようです。
ここで、環境省の特定植物群落に指定されているハンノキ林の話もしました。
この辺りから湧水が滲み出していることで、ミヤマシラスゲが繁茂していることを観察しました。

この日のハンノキ林では、キビタキの声は聞かれませんでしたが、ホウチャクソウが咲き、マユミの花が見られました。

梅畑に降りる階段の途中に、ヒオドシチョウの幼虫を観察しました。

梅畑下の木道の手摺の支柱に、ヤマサナエの脱皮殻がついていて、水辺から離れた、こんな所まで移動して羽化していることに、皆、感心していました。
これについて、茅ケ崎の岸さんから、「ヤマサナエではなく、サラサヤンマです。」というコメントをいただきましたので、サラサヤンマと訂正させていただきます。

ニホンカナヘビが陽光を浴びて寛いでいました。

上の田圃への導水路に大きな穴が開いていて、田圃の水は涸れていました。
観察会途中でしたが、応急措置として、畔を踏み潰して、水が流れるようにしました。

花盛りのハルジオンで、アオスジアゲハが吸蜜していました。

暑いぐらいの陽気でしたが、生きものとの出会いの多い観察会を楽しみました。

この日に観察した動植物は、以下の 52 種でした。
【樹木】コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、ハンノキ、エノキ(実)、ウグイスカグラ(実)、ハンショウズル(花)、ノイバラ(花)、マユミ(花)、キブシ(実)、ヤマグワ(実)、クサイチゴ(実) 、ハコネウツギ(植栽樹の花)
  13 種
【草本】ニガナ(花)、オニタビラコ(花)、キンラン(花)、エビネ(花)、ササバギンラン(花)、タマノカンアオイ(花)、オカトラノオ(花)、アオイスミレ(花後、大きくなった葉)、 ホウチャクソウ(花)、ヘビイチゴ(花)、ツボスミレ(花)、セリバヒエンソウ(花、実)、ハルジオン(花)、ミヤマシラスゲ(花)、ムラサキケマン(実)、ツルニンジン(芽)、トモエソウ(芽)、 オオイヌノフグリ(花)、オヤブジラミ(実)、ウシハコベ(花)、ハナダイコン(花、実)
  21 種
【昆虫】キアシドクガ(幼虫、蛹)、ダイミョウセセリ、ナガサキアゲハ、アゲハチョウ、アオスジアゲハ、クロヒカゲ、ヒオドシチョウ(幼虫)、サトキマダラヒカゲ、 シロヘリキリガ(幼虫)、ヤマサナエ(羽化殻)、クワゴマダラヒトリ(幼虫)、クロハナムグリ
  12 種
【野鳥】ウグイス(声)、シジュウカラ(声)、ガビチョウ(声)、コジュケイ(声)、エナガ
   4 種
【その他】ニホンカナヘビ
   1 種
計 51 種


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