里山の自然学校2012 第2回 田植え


里山の自然学校2012
第2回《田植え》

【2012/5/29 更新】

日時 2012年5月27日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地 
参加者 A 豊島芳璃人、酒見果歩、谷 実鈴、山下 優、山根将聖
    B 大江田慧、山内雄仁、山本来幸、山根早也香、吉澤俊明
    C 江口暁香、棟安恵万、林 航大、甲斐亮汰、春田健登
    D 原田大雅、上野美紀、山崎慎悟、八代舜太郎、駒松沙生
                                    20人
講師 藤間煕子、中臣謙太郎、山本晃、岩田芳美、梅原和仁、神山歩未、岩田臣生
サポート 前田 宏、金子文隆 

今日は田植えです。晴天に恵まれて暑くなりそうです。 公園管理事務所2階で、挨拶と段取りについて話し、前回(第1回春の里山)休んだ子どもの自己紹介を済ませました。

それから、着替えなどは部屋に置いて、トイレも済ませて、バケツや洗面器などを手分けして持って、田圃に向かいました。
水田ビオトーフ班の若手のサポートが得られなかったので、岩田は大荷物となりました。また、先に田圃に降りて段取りを整えておいてもらうことも、今回はできませんでした。

田圃への道の脇には、ヤマグワの実が熟し始めていました。
食べたことのある子どもたちは熟した実を探して、サッサと口に入れていましたが、初めての子どもはなかなか手を出そうとしません。
野外に自然になっている実などは、全て食べられないと思っているようです。
勿論、生田緑地では動植物の採集は禁止ですが、子どもたちが一つ摘んで食べるぐらいのことは問題ありません。
特に、ヤマグワの埋土種子の量は膨大だと思います。野鳥や昆虫などの食べる分が少し減るかも知れませんが、生態系に影響を及ぼすほどのことではありません。
里山体験の一つとして楽しんでもらいたいと思います。

上の田圃の直ぐ上のところに梅や柿が植えられている場所があります。この柿の木の下が日陰になっているので、ここにシートを敷いて、お弁当などの荷物を置きました。
苗は、前々日の25日(金)に下の田圃に運び込んでおきました。
この苗を取りにいくところから活動開始です。
苗は子どもたち一人一人が洗面器に入れて、上の田圃に運びました。

田植えは、上の田圃の下の段、上の段、下の田圃の順に進めます。
苗の植え方の指導を、里山の自然学校2年目の山本来幸さんに頼みました。
昨年の田植えを見ていて任せられると思ったからです。
それに、私たちが教えるよりも、「教えることができる友だちが、他の友だちに教える」という場面をつくった方がいいと考えているからです。

それから、更めて、全員が木道に向かって一列に並び、隣同士の間隔を調整して、目印テープを張り渡し、自分が植える範囲を各自が確認してから、田植えを開始しました。
田植え全体の指揮は神山先生に任せてみたのですが、黙っていられない他の先生が口も体も出していたようです。
里山の自然学校の田植えは各自が洗面器に自分が植える苗を入れておいて、そこから苗を取り出して植えていきます。
20人が並ぶと一人で植える範囲は僅かになってしまいます。田圃の形状のせいで、途中で押し出される子どもが出てきますが、そんな子どもたちは、苗を補給する役を率先してやってくれていました。
こんな場面も、水田ビオトーフ班のサポートがあったら良かったと思うところです。

田圃の中には、上陸直前のアズマヒキガエルの幼体や、孵化して間もないシュレーゲルアオガエルの幼生(オタマジャクシ)、マメゲンゴロウ、ホトケドジョウなどがいました。
そうそうアメリカザリガニをつかまえた子もいました。

下の段の田植えを終えて満足した子どもを除いて、上の段の田植えを始めました。
こちらは、10人並ぶのも難しいような小さな田圃ですが、土は田圃の土になっています。
アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)がまだいましたが、幼体も多く見られました。子どもたちの動きを見ていると、踏み潰された幼体も多かったのではないかと心配になりました。

上の田圃の下の段の田植えだけで充分という子どもは、足を洗って、靴を履き、昆虫や植物の観察をしていました。
勿論、昆虫は山本先生が、植物は藤間先生が指導しています。

田植え後のカルガモ対策は、毎年、悩んでいます。
防鳥ネットを張ることが多かったのですが、カルガモはネットがあろうと構わずにダイビングしてきます。その結果、ネットが泥に沈んで、これを張り直す時に苗が駄目になっていました。
春にオオタカがカルガモを襲ってくれた年は何もしなくてもカルガモが来なくなっていましたが、人為的にはどんな方法が効果的なのか分かりません。
今年は防鳥テープを試すことにしました。張ってあることをまず認識してもらい、何か危険があると感じてもらえるのではないかという考えです。
何より、張る手間や片付ける手間が段違いです。今回は特に、この点を重要視してみました。
荒らされてしまったら植え直せばいいと腹をくくることにしたのです。

上の田圃の田植えを終えたところで、午前中の活動を終りにして、お弁当を広げました。
暑くないのか、日向で食べている子どもたちもいました。

午後は下の田圃の田植えです。
2004年に再生した田圃で、一番小さい上に、奥の方は田圃雑草のための水辺としているため、田植えをする場所は益々小さくなっています。
そして、深い湿田です。
今年は田起こしを1回行っただけで、代掻きもできませんでした。
ヒメガマは既に伸びています。ホトケドジョウの稚魚が群れていました。

下の田圃は、今までは、女子が中心に行われていましたが、今年は男子が集まりました。
土が臭いと叫びながら、植えていましたが、しっかり植えられたのでしょうか。

下の田圃の田植えに参加していない子どもたちは、昆虫観察や植物観察をしていました。

下の田圃にも、田植えが終わるのを待って防鳥テープを張りました。

田植えの活動を終えて公園管理事務所にもどりました。
降りる時には無かった育苗箱という荷物が帰りには増えていました。
部屋に戻って、着替える子が着替えてから、田植えの感想を発表しあいました。


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