里山の自然学校2018
第5回《夜の昆虫観察》

【2018/7/22 更新】

日時 2018年7月22日(日) 16:00〜21:00 晴
場所 生田緑地、生田緑地整備事務所裏
参加者 里山の自然学校2年生
        和 朋花、花岡澄空、森村 玄
     里山の自然学校1年生
        俵 志道、川口真瑠、岡部美海、小野寺花柑、粕川結太、堅田真帆、
        鈴木眞之介、土綿優斗、中村駿介、野口峻志、長谷玲奈、本坊公暉
                           15名(今年度登録参加者 21名)
     卒業生 佐藤晴奈   1名
講師 岩田臣生、岩田芳美、梅原和仁、神山幸雅   計 20名

里山の自然学校の第 5 回は夜の昆虫観察です。
例年は、集合してから直ぐに、生田緑地の自然観察を行っていましたが、今年は 16:00 過ぎでもなお暑かったので、出発時間を少し遅らせることにしました。
そして、出発時間までは、3 チームに分かれて、生田緑地の生物名のシリトリゲームを行いました。
ゲームとなると、よく知っているはずの名前が出てこないのが面白いところでしょうか。

16:30 を過ぎたところで、市民活動室を出発しました。
整備事務所付近の樹液レストランの観察から始めました。
夏の虫取りのせいでしょうか、虫屋さんたちの乱暴な採集行為のせいでしょうか、クヌギの姿は酷い状態でしたが樹液は出ているようです。
竹垣で囲われてしまったので、傍に行っての観察はできませんが、何とか、多数のカナブンとカブトムシが観察できました。

谷戸に降りる階段には、カラスに食べられたカブトムシの頭や脚が落ちていました。
ピクニック広場では、ヤブミョウガ、ヤブマオ、キボシカミキリ、アオバハゴロモ、スケバハゴロモ、アシナガグモ類、ウンカ類などを観察しました。

ゴマダラチョウの死骸が落ちていました。

タケニグサは花から実に移る時で、特異な形は印象的だったと思います。

オオシロガネグモがホソヘリカメムシを捕獲した場面を見つけて、子どもたちが大興奮して呼んでくれましたが、着いた時は、クモの巣を解いて逃げるところでした。
しかし、巣にかけて捕らえる瞬間を観察できて良かったと思います。

萌芽更新地区下のデッキで集合写真を撮りました。

茂みの中から突然大型の蛾が飛び出し、暗がりを求めるように低い所を飛んでくれました。
撮影できませんでしたが、ハグルマトモエだと思いました。

ハンノキ林の中央部の水流が水面を失っていました。
この暑さで雨が降らないと、水辺の生物は大打撃を受けることになりそうです。心配になってきました。

梅畑広場で休憩しました。
コブナグサが大きく育っていました。
トウキョウヒメハンミョウが草の上に観察できました。

田圃付近の林縁をオニヤンマが飛んでいました。
田圃の稲は大きくなりました。
ただ、子どもたちは、根本付近に見られたアメリカザリガニの方に関心を示していました。
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、アオバハゴロモなども観察しました。
ノカンゾウが草地の緑のアクセントになって、谷戸に細やかな賑わいを添えていました。

下の田圃付近でも、様々な生物を観察していました。
イヌシデの葉上にクモヘリカメムシがいました。

戸隠不動尊跡地の展望デッキで一休みしました。
小さなアズマヒキガエルが見つかりました。

桝形山へ向かう途中、遠回りになるので嫌だという子どもたちは真っ直ぐ桝形山に向かわせておいて、クヌギの樹液レストランに寄り道してみました。
夏休みなので、既に採集されてしまっていると思いましたが、カブトムシ(オス)、コクワガタ(メス)、カナブン、ヨツボシケシキスイなどを観察することができました。

桝形山広場で、夕方のお弁当を食べました。
遅れて参加することになっていた子どもたちも、やって来ました。

別の樹液レストランには、クロカナブン、カナブン、アカボシゴマダラ、スズメバチなどが来店していました。

ライトトラップは生田緑地整備事務所裏のヤードで、今年も行うことにしました。
ライトトラップの設営は卒業生に手伝ってもらいました。

全員が集合したところで写真を撮りました。

昆虫がライトトラップに集まって来るまでには少し時間がかかるので、その前に、ニイニイゼミの羽化観察をすることにしました。
ニイニイゼミの羽化殻は沢山あったのですが羽化中の個体がなかなか見つかりませんでした。
羽化のために登っている途中の個体はいくつか見つかりましたが、なかなか羽化が始まりません。

羽化観察を止めて、ライトトラップに集まる昆虫を観察することにして、生田緑地整備事務所裏に戻りました。
すると、ライトトラップは大変なことになっていました。
昆虫を集めるためのライトにスズメバチが集まってしまったのです。
今年の男の子たちは落ち着きなく、大声で騒ぎ立てることが普通なので、スズメバチを興奮させてしまう危険がありますので、子どもたちを近づけないようにしていました。
ライトトラップとしては、コフキコガネや、ゴマダラチョウが飛来してくれて、予想外に良い出だしだったと思いますが、ライトにスズメバチが集まってしまったのです。

今夜のライトトラップは諦めざるを得ませんでした。
問題は、ライトトラップに集まったスズメバチをどうすれば良いかです。
片付けができないと困るのです。
殺虫剤はありませんが、普段の活動時に使っている蚊取り線香がありましたので、ライトを消して、ライトの傍に蚊取り線香を置いて、暫く放置することにしました。

そうしておいて、また、セミの羽化観察を続け、別の樹液レストランも調べてみることにしました。
しかし、昔、観察していた樹液レストランは閉店していました。
まだまだ元気な子どもたちを連れて、夜の生田緑地を歩くのも良いと思いましたが、講師の先生たちには、そんな体力は残っていませんでしたので、 生田緑地整備事務所前に移動して解散することにしました。
夏の樹液レストランを観察し、セミの羽化を観察できたことで、満足してもらうことにしました。


解散して、皆を帰してからライトトラップを調べたら、まだ、十匹ほどのスズメバチが残っていました。
仕方ないので、これらは網で捕らえて、一匹ずつ殺してから、ライトトラップを片づけました。
羽音は静かで興奮している様子はなく、色形や大きさからは 2 種類に思えましたが、・・・。


以上

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