里山の自然学校2021
第04回《ホタル観察》

【2021/6/20 更新】

日時 2021年 6月20日(日) 16:00〜21:00 曇
場所 生田緑地 ホタルの国
参加(里山の自然学校 3年生)佐藤天音、原田天雅
  (里山の自然学校 2年生)佐藤弥里、加藤帆乃果、橋口怜奈、房安弘太郎、玉木 遥、池上豪一郎
  (里山の自然学校 1年生)森弥太郎、青木いろは、柴田一花、畠山泰知
      久保田あかり、柴田綾乃、須貝愛桜、舟越 葵、宮本琴羽、吉田 絃
       18 名
講師(事務局) 岩田臣生、岩田芳美
サポーター 小野寺花柑、畠山夏昊 
水田ビオトープ班 東 陽一、岩渕裕輝
    合計 24  名

里山の自然学校第 4 回<ホタル観察>は、閉国中の生田緑地ホタルの国で開催しました。
里山の自然学校の企画・運営を行っている事務局の岩田が、2005年からホタルの国の企画・運営も行っており、 更に、谷戸の水辺の生物多様性保全の活動を日常的に実践していることによって実現されているものです。
参加者の中には、閉鎖されているホタルの国で、どうしてホタル観察ができるのかと疑問に思う子もいました。
里山の自然学校が開催できるなら、参加者の家族ということで、ホタル観察をさせてほしいという申出もありましたが、 里山の自然学校は家族参加型のプログラムではないという理由で、お断りしました。

生田緑地整備事務所 2 階の市民活動室に集合して、まずは、前回のプログラムで持ち帰って、飼育観察したトンボの羽化について報告してもらいました。
持ち帰ったヤゴの数と羽化成功の数は、次の通りでした。
ギンヤンマ 4 / 8、アカトンボ 55 / 100、シオカラトンボ 10 / 18
註)分母=持ち帰ったヤゴの数、分枝=羽化成功の数
まだ、ヤゴのままの個体もいるようでしたが、ヤゴの救出作戦から 2 週間が経過していますので、救出が成功したのは 50〜55%だったと思われます。
持ち帰ってから羽化するまでの日数は、早いものは翌日で、概ね、4 日目ぐらいで羽化していたようです。
羽化は、普通は、夜に行われるので、朝起きたらカーテンに止まっていたというパターンが多いようですが、熱心な親が撮影してくれた動画を見たという子もいました。


さて、この日は夕方の谷戸の自然観察から始めました。
ハンショウヅルの若い実を観察しました。

谷戸に降りると、ピクニック広場には、トモエソウが咲いています。
ドクダミは、皆が知る花でした。
草の葉上で、数種のハバチの幼虫を見つけました。
ガの幼虫とハバチの幼虫の違いを学習しました。
カミナリハムシの仲間と思われる小さな甲虫を見つけて楽しみました。

緑の草の中に、オレンジ色が輝いていました。
ツチアケビです。
ここのツチアケビは、2015年、2018年、そして今年と、2年おきに咲いています。

田植えの時に、食べたヤマグワの味が忘れられない子が、ヤマグワの木の下で止まってしまいました。

ハンノキ林上のデッキで、暗くなる前に、集合写真を撮りました。

池の近くのヌルデには、まだ、マダラアシゾウムシがいました。
そのままでは、観察し難いので、容器に入れて、観察しました。

ハンノキ林上の池の水面に、アメンボの仲間を観察しました。
この日は、水が濁っていました。

手摺の下側に、大きなトンボの羽化殻がぶら下がっているのを、子どもが見つけました。
茅ケ崎の岸さんに相談したら、ヤブヤンマ(メス)の可能性が高いとのことでした。
谷戸の奥の樹林に囲まれた池という環境のせいか、この時期の観察会では、よくヤブヤンマに出会っています。

デッキの手摺や、木道のあちこちに、キマワリがいました。
マユミや、キブシや、ヤマコウバシが実をつけていました。

ハンノキの幹に、地上性のヒシバッタがいました。
田植えの日に、ヤマトクロスジヘビトンボが止まっていたハンノキです。

ハンノキの周りを、ミドリシジミ数匹が飛び回っている場面(卍巴飛翔)を観察できました。
チョウの中には、幼虫が樹木の葉を食べて育つ、樹上性のチョウ、ゼフィルスがいること、そして、生田緑地のハンノキ林には、ミドリシジミが棲息していることを学習しました。

雨で濡れた木道の手摺には、様々な生きものがいました。
原始的な昆虫とされているイシノミの仲間がいました。
クロコウガイビルもいました。
生田緑地に来る途中で、大きな黄色のコウガイビルに出会ったという子がいましたが、それは、オオミスジコウガイビルという外来種である可能性が高いと思います。

オナシカワゲラを見つけました。

5/30(日) に田植えを行った田圃で、自分が植えた苗の生育状態を観察しました。
苗の緑色が濃くなって、力強く、上に向かって伸びていました。

田圃の中にアメリカザリガニを見つけて、駆除を始めた子もいました。

下の田圃まで来て、ヨシ笛をつくって、遊び始めた子もいました。

梅の木広場に戻って、お互いに距離をおいて、夕食のお弁当を食べました。

食後、先ほど、ヨシ笛を作っていなかった子のために、下の田圃付近で、ヨシ笛づくりを行い、夕暮れを待ちました。

残照の紅が、田圃の水面に映って、そろそろ、アブラコウモリが飛び回る時間です。

残照が消えたところで、バットディテクター(コウモリ探知機)を使って、アブラコウモリの声を可聴域に変換した音を聞きながら、飛来するコウモリを肉眼で見つけて楽しみました。
子どもたちは、アブラコウモリの姿が良く見えるようです。
この日のホタルは 19:20 には光り始めたので、全員で歩きながらホタル観賞を行いました。
19:36 竹林下デッキで、3 グループに分かれて、出現数を数える活動を行うことにしました。

@東・夏昊班(佐藤天音、原田天雅、房安弘太郎、池上豪一郎、畠山泰知、青木いろは)  55 匹
A岩渕・花柑班(佐藤弥里、加藤帆乃果、橋口怜奈、玉木遥、柴田一花、久保田あかり)  31 匹
B岩田班(森弥太郎、柴田綾乃、須貝愛桜、舟越葵、宮本琴羽、吉田絃)  42 匹
 岩田班の調査は、環境省モニタリングサイト1000里地調査 S067生田緑地調査のホタル調査として、岩田が、2009年から継続実施している調査を兼ねることにしました。
 ホタルの出現数は目視のタイミングによって差が出るので、ある程度の差は止むを得ないと思いますが、・・・。
 生田緑地ホタルの国のホタル調査結果については、生田緑地ホタルの国の公式ホームページで公開しています。

20:30 ハンノキ林上のデッキに一旦集合してから、谷戸の降り口に戻って、デッキで、カウント調査の結果を発表したり、感想を聞いたり、話し合いを行い、解散しました。

解散後、東口に迎えが来るという参加者は、サポーターが付き添って、東口に向かいました。

西口に迎えが来ると言う参加者は、岩田が西口に連れて行きましたが、参加者 2 名の迎えが来ていませんでした。
そうこうしていたら、親から電話があり、いきなり、「東口に迎えに行くと知らせてあったはずなのに、どうして、東口に送ってくれなかったのか。」と苦情をいただきました。
岩田は、どちらのゲートに帰れば良いかは、参加者本人が理解して行動すれば良いことなので、 こちらがリストを作成して、それを見ながら(親に代わって)指示しなければならないこととは考えていません。
里山の自然学校の参加者は、少なくとも、小学 4 年以上のはずです。

次回、<夜の昆虫観察>も、夜のプログラムなので、話し合いで場所を決めて、迎えをお願いしたいと思います。


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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation