生田緑地の谷戸の自然保全活動


田圃再生 7
日時 2004年4月29日(木) 11:30〜16:00 晴
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生、佐伯久美、平川みどり

田圃に着くと、佐伯さんが作業をしていた。彼女が作業を始めた時は、シマヘビがいたという。カエルを目当てに出てきているのかも知れない。(?)昨日、ペアだったシュレーゲルアオガエルのオス(体色が黒ずんだ緑色)が単独で田圃の中にいた。
 今日は、田圃の北側の畦道に沿って30〜50cm幅で水路を開くことにした。
 田圃に入ろうとした時に、北側の畦道から1頭のチョウが飛び去った。目視では、体長4cm程度、全体が灰色がかった黒褐色で、青藍色の紋様があった。模様だけで言えばルリタテハが当てはまる様だが、翅の縁は滑らかで、イチモンジチョウの白を青に置き換えた様なチョウに見えた。自宅に帰ってから図鑑で調べているが該当するチョウが見当たらない。やはり、一旦捕獲して確認しないと難しいようだ。
 ザリガニ(5cm)は2匹確認された。
 ミカドガガンボの幼虫は3匹、これは昨日つくった泥山に移動させた。今日、見ると、いくつもの穴が泥の表面に開いている。非常に過密な状態だとは思うが我慢してもらうことにした。更にミカドガガンボの蛹化したものが、泥水の中から出てきた。これは一端持ち帰ることにした。左図がそれである。 図はミカドガガンボの蛹をスケッチしたもの
ミカドガガンボ蛹
 シオヤトンボは、6〜7匹が飛び回っており、作業をしている目の前にも来る様になったが、相変わらずメスは、1匹しか確認できない。(同時に2匹以上を見ることがなかった。)
 キアゲハは、時々飛んできては、セリに産卵している様な飛び方を繰り返している。
 お昼の弁当を食べていると、戸隠不動の方の階段の下から3人の男性が来て、何やら話している。そのうち、耕耘機らしい物を持って木道に上がり、歩いて来た。「何をされるのですか」と尋ねると、「畑に行く」と言う。その一言で、登戸子供会連合の関係者が、畑を耕しに行くのだということは分かったのだが、子ども達の体験学習のための畑づくりと聞いていたのに、大人だけで、機械で耕してしまうのだと分かると少々疑問を感じてしまう。ノラボウ菜の花が咲き乱れて、里山の春という感じで、楽しませて戴いているが、...。
 それから、祝日ということで、木道を行き来する人の数も多いが、木道から降りて、池を覗いたり、セリを摘んだりする人が後を絶たない。誰かが降りていると、降りてもいいと思うのか、連鎖反応的に次々と交替で降りている。 池を整備した目的が、来訪者が覗いて見ることを考えているものであれば木道から覗ける様な配置でなければならないだろうし、そうではないのであれば、もっと木道から離して配置するべきだったのではないだろうか。或いは、この池を目指してやってくる生き物を少し離れた木道から観察するという設定であるなら、木道と池との間をヨシ原(ぬかるみ状態)として、木道から降りたいと思わせない等の工夫が必要ではないだろうか。
 谷間の探勝路側から来た場合は、途中に立ち入り禁止の看板があるが、戸隠不動側から来た場合は、木道から降りることを禁止する看板が無かったかと思う。禁止の看板が無いためなのか。
 それとも、私達が木道から降りて作業しているから、降りてもいいと思うのであろうか。
 しかし、木道から降りる人達は、好奇心旺盛な人達だと思うので、その好奇心を満たしてあげることが必要なのであって、むやみに無粋な禁止看板を立てるのは望ましいことではないだろう。工事が終って間もないので、植生が回復していないため、丸見え状態にあるのだから、池をつくった目的や計画を示して、植生保護のため降りないで欲しいというお願いの小さい看板を一時的に設置するべきだろうと思う。
 午後から平川さんが作業に参加したが、3人で作業をしている真中に、アゲハチョウがやってきて、泥の上に降りそうな感じで飛んでいる。カラスアゲハかと思ったが、尾状突起が無い。ナガサキアゲハか(?)。
左の写真は、4/29の田圃である。 左が平川さん、右が佐伯さん、中央が私である。昆虫班蛾グループの野澤さんが撮影してくれたものである。 野澤さん、有り難うございます。


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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation