生田緑地の谷戸の保全活動

止水域の生物調査
日時 2008/7/12(土) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地の谷戸の止水域の生物調査
参加者 大隅賢二、雛倉正人、岩田芳美、岩田臣生

ヨシ原へ向かおうとしたら、枯れたヨシの茎の先にコノシメトンボ?が止まっていました。


●ヨシ原の池
ヨシの高さは2〜4mに伸びました。ヨシ刈りをして道をつくっってから調査を始めました。キショウブも切ったため匂いが辺りに漂います。

保護管理していたイヌタヌキモのカゴを取り出すと、やはり中にアメリカザリガニが入っていました。


それから、手網で池の中を掬って調べました。
前回はアメリカザリガニの小さいものも見られましたが、今回は大きいものだけになっていました。
1頭でしたが、小さなヤンマ型ヤゴが見つかりました。多分、クロスジギンヤンマが産卵に来ていたのでしょう。
4cm大のホトケドジョウは、降雨時にどこからかやって来たのでしょう。
アメリカザリガニが入って来なければ、こんな水域としては繋がっていないヨシ原の中の水溜まりでも多様な生物が生息するようになるということが見えてきました。

アメリカザリガニ 8cm以上 9、5cm以上 5、3cm以上 1、ホトケドジョウ 4cm×1、ヤンマ型ヤゴ 1
周辺には、アブ、ケラ、オオシオカラトンボ♂、コノシメトンボなど


●下の田圃
一時何もいなくなったかに見えた下の田圃に、たくさんのシュレーゲルアオガエルのオタマジャクシやホトケドジョウの稚魚が群れていました。
この下流のクワイ畑、今は放置されて草が生い茂っていますが、田圃から流れだした様々な生物が生息していることと思います。

シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ 30、ホトケドジョウ 1〜3cm×100
周辺には、オオシオカラトンボ♂、イネ 30cm、コナギ



●田圃下の池
田圃の水温が上昇した時に上流へ避難できる生物は限られていて、大部分は下流に流れ落ちて生息できる場所を探すという戦略をとると思われます。
上の田圃の上側の田圃では湧水のインレット周辺にオタマジャクシが集まっているのに対して、下の田圃では集まっている様子がありません。 そして、この池の調査をすると沢山のオタマジャクシが見られます。
今回の調査ではヤンマ型のヤゴやセンブリの幼虫と思われる生物などが見られ、この池をつくる必要があったという証を見せられている気がします。
但し、田圃との落差が大きいことから土砂の流入が多いため、この池は沈砂池として、下流に生物のための池をつくらなければいけないと感じています。
また、その池の水温上昇をできるだけ抑える工夫が必要であることも感じています。

オタマジャクシ 70、ヤスマツアメンボ 20、ヒメアメンボ 10、アメリカザリガニ 1cm×8、2cm×5、3cm×1、5cm×3
コミズムシ 30、ヤンマ型ヤゴ 5mm×3、マメゲンゴロウ 1、カゲロウsp. 4、ホトケドジョウ 1.5〜2cm×3、センブリ幼虫 2
カツオゾウムシ、オオシオカラトンボ♂♀、シオカラトンボ


●上の田圃
田圃の上空はトンボの縄張り争いの場となっています。 一番多いのはオオシオカラトンボ♂で、これに2〜3頭のシオカラトンボやショウジョウトンボが加わっています。 この日は夏本番の天気となり、種名は不明ながらアカトンボが1頭、上空1〜10mぐらいのところを飛んでいました。 また、数10m上空を悠然と飛翔するオニヤンマが1頭、見られました。オニヤンマが出ると夏になったという気がします。

シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ 多数、アメリカザリガニ 4cm×1、アメンボ
周辺に ショウジョウトンボ♂♀、オオシオカラトンボ♂♀、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ、オニヤンマ

●湿地再生地の池
湿地再生地の中は、今年は今のところ水も枯れることなく、孵化したホトケドジョウの稚魚が流れの各所で見られます。
アメリカザリガニも増えてしまったことが残念ですが、センブリsp.の幼虫が見られたり、カワニナが見られるようになったことは嬉しいところです。
この水が涸れることがないように気をつけなければならないと感じています。

ホトケドジョウ 20、シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシ 20、カワニナ 6、センブリ幼虫 1、アメリカザリガニ 5cm×8、ヤスマツアメンボ 10
周辺に シオカラトンボ

暑い中の生物調査を終えました。


●ここで、今日の生物調査は終了として、神山歩未、岩田芳美、岩田臣生の3人は木陰でお弁当を食べてから、ハンノキ林上の池周辺で遊びました。
池は濁っていて、水質が気になりますが、オオシオカラトンボ♂が5〜6頭集まっていました。 また、頭部が水色という印象を与えるヤンマが1頭、時々姿を見せました。 写真は撮れませんでしたが、この印象を与える、この時期に見られるトンボはヤブヤンマ♂かマルタンヤンマ♂のようです。
(茅ヶ崎市立香川公民館の岸一弘さんから、ヤブヤンマ♂かマルタンヤンマ♂だと思うとのご連絡を戴きました。 この2種はともに生田緑地の採集記録があります。)
ここは木々に囲まれた、やや暗い池ということで、こうした環境を好む様々な生物が見られますので、 水質とアメリカザリガニは何とかしなければならない課題だと感じています。
岩田芳美は伸びてきたネザサが気になるようで、少しだけササ刈りをしていました。


コノシメと思われるトンボもきました。

駆除したアメリカザリガニの死体にアメンボが群がりました。

木道の手摺りの上を、クサカゲロウの背負っているゴミ玉が動いていました。

クサギカメムシの幼虫がいました。


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