生田緑地の谷戸の自然保全活動


鈴木公園緑地課長の生田緑地の外来植物観察会
日時 2011/7/27(水) 9:00〜13:00 曇
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生、岩田芳美

川崎市建設緑政局公園緑地課長の鈴木さんから生田緑地の外来植物の案内をしてほしいという申出を戴き、ご案内しました。
平成19年度(2006年度)に川崎市北部公園事務所からの委託を受けて実施し、提出した生田緑地等における特定外来生物影響調査事業委託報告書を見て、公園緑地における自然の取り扱いについて考えたいと思ってのことのようでした。
この調査は平成17年10月に外来生物法が施行されたことから、生田緑地、黒川谷ツ公園、多摩緑地保全地区、王禅寺ふるさと公園における外来生物の生息状況およびその影響を調べ、本来の生態系が失われることのないように必要な措置を講じるための基礎資料を得ることを目的に実施したものです。
これが報告書を作成しただけで終わっているのではないかとの危惧から、生田緑地の現状について現地を歩いて理解したいとのことでした。
生田緑地では特に勢力の拡大が顕著であるなど、生態系に影響を及ぼしていると推察される生物を生田緑地における侵略的外来生物として駆除の対象としています。
しかし、影響を科学的に計量することは非常に困難です。 現実には、トンボのヤゴが急減してアメリカザリガニが急増するなど日常的な観察に基づく推察から、或いは当該地域において急速に生育面積を拡大している外来生物などを侵略的外来生物として考え、駆除対象としています。
現在、駆除の対象としているのは、アメリカザリガニ、ウシガエル、 シラユキゲシ、タチイヌノフグリ、ハナニラ、 セリバヒエンソウ、シャガ、 アメリカフウロ、キショウブ(稲目谷戸)、ニワウルシ(実生のシンジュ)、 ワルナスビ、オオブタクサ、ブタクサ、タイワンホトトギス、 アメリカセンダングサ、アレチヌスビトハギ、メリケンカルカヤ、セイタカアワダチソウなどですが、駆除の方法、程度は種によって異なります。
また、駆除は外来生物以外でも、特定の植物を保護するためにその生育を脅かしている植物は在来種であっても駆除対象とすることもあります。 カナムグラや、特定の場所のチゴザサなどです。

観察は中央広場に集合して下図のルートを歩き、外来植物だけではなく、保護すべき重要な動植物なども含め、 この季節の観察として可能な範囲で生田緑地の自然の質と保全についての理解を得たいとの思いで案内しました。
幸運なことに絶滅危惧種のいくつかを観察することができ、タマムシが目の前に飛んできたり、ヤブヤンマに出会ったりというサプライズもありました。

生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation