生田緑地の谷戸の自然保全活動



奥の池の生物救助作戦に協力参加
日時 2015/2/28(土) 9:00〜12:00 晴
場所 生田緑地 奥の池
参加者 岩田臣生、岩田芳美、田村成美、富内雅美、政野祐一

北部公園事務所の所長が福井さんだった頃から要望していた奥の池の掻い掘りが、漸く、2015年3月に実施されることになりました。
これに先立って、生息している生物を救出しようという行事が生田緑地整備事務所の主催で開催されました。
元の地主さんによると奥の池は底なし沼だったそうですが、生田緑地の公園整備が進んでもなお水底が見通せる湧水を湛える池であり、 ホトケドジョウは勿論、いくつかの絶滅危惧種が生息する水域でした。
17〜18年前になるでしょうか、岡本太郎美術館の建設が計画され、この建設工事にともなって、池の周りを一周していた園路を車の通行可能な広さの1本の園路とし、池は改めて2段の池に整備され、上の池は建設予定地に生息していたホトケドジョウを保護するための大規模復元池とされました。
ホトケドジョウの保護池は、この外にも3か所整備され、これらの保護管理を目的として「生田緑地の谷戸とホトケドジョウを守る会」が設立されました。
ホトケドジョウは、かつては湧水の流れや溜まりなどどこにでもいた淡水魚でしたが、湧水環境の消失が著しい現在では絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。
生田緑地の谷戸とホトケドジョウを守る会は、今では当初のメンバーはいませんが、神奈川県内水面試験場の主任研究員であった勝呂さんの指導によって活動は継続されています。
今回の救出作戦は同会が主催するものと思いましたが、掻い掘りの準備として生田緑地整備事務所が主催するということでしたので、私たちは我儘な一般参加者として参加しました。
掻い掘りについては、何年も、様々な人に訴えてきた立場としては最低限の協力はしなければならないと思いましたが、 この間に水質は悪化し続け、ウシガエルのオタマジャクシも見られなくなっていましたので、弱い生物は生き残っていないだろうと思われました。

倉庫に集合してウエイダーを履き、集合時間より早めに奥の池に行きましたが、水位は満水状態にありましたので、 堰の板を外して放流を始めました。 また、排水口は少ししか開けていないということだったので全開にしました。 水位を下げないと生物の採集は困難です。

県内水面試験場の曳き網が届きましたが曳き手が足りないというので、一つを借りて活動することにしました。
奥の池の排水口側は泥の堆積で浅くなっています。 曳き網は岡本太郎美術館側の深い場所で行うことにしました。

水に入ろうと水の引いた岸辺に降りたら、アズマヒキガエルの卵を踏んでしまいました。そこで卵を採集し、観察用に本部に持参しました。


網の中には、モツゴ、メダカ、スジエビ或いはヌカエビ(泥だらけで一つ一つ確認しませんでした)、アメリカザリガニ、アズマヒキガエルなどが入りました。
網に入ったアズマヒキガエルはオス2匹でしたが、拾い出しているところにメスが1匹飛び出してきました。 後で確認されたのですが、生田緑地では丁度27〜28日に蛙合戦が行われていて、そのタイミングでの活動だったようです。

水位が下がるにつれて排水口周辺が干上がって、泥溜まりとなり、奥の水が出口を失いました。
このため排水口周辺では澪筋をつける活動が行われました。

長らく生田緑地には来なくなっていた元生田緑地の雑木林を育てる会代表の青木さんに久し振りに会いました。
そして、一緒に拾い出しをしてくれました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation