生田緑地の谷戸の自然保全活動



湿地づくりなど
日時 2015/3/23(月) 10:00〜14:00 薄曇
場所 生田緑地 城山下谷戸末端部周辺
参加者 岩田臣生、田村成美

城山下谷戸
今回の活動場所に入ると、陽だまりに越冬していたテングチョウが飛び出してきました。 ヒメオドリコソウも咲いていました。


城山下谷戸が稲目谷戸に合流する辺りは、かつては生田緑地で一番初めにゲンジボタルが出現するポイントでした。
そして少なくとも10年前には、トキホコリ、コウライイチイゴケなどが広がり、ズブズブ足が潜る湿地でしたが、 現在では乾燥化が進み、ヤブラン、ミヤマカンスゲなどが生え、もうカナムグラが芽生え始めていました。
林立していたオオブタクサは毎年の除伐によって勢いを失いましたが、まだ数本が咲き誇ったようで、太い枯草が倒れていました。
城山下谷戸の水流は最近非常に流量を減じていますが、降雨後には表流水が地表を舐めたと思われる痕が残っていました。
活動の目的は水辺と湿地を再生することですが、土には砂質が多く混ざっていて、水溜りをつくっても忽ち水は地中に浸み込んでしまいます。 それでも、繰り返し水溜りをつくることで、いつかは湿地化できるものと考えています。 今回は、このための水溜りをつくる活動です。 少なくとも、降雨後の表流水が一気に稲目谷戸の水流に流れ込むことは防げると思います。


稲目谷戸の水流
水溜り穴を掘っても、水流の流量がきわめて少ないために一向に溜まる気配がありません。
そこで、付近の稲目谷戸側の水流の点検もしておくことにしました。

1ケ所、斜面の土砂が崩れて水面が消えていた所がありましたので、泥上げを行いました。 落葉が溜まっていた所の落葉や枯れ枝は岸辺に上げました。

また、水流が外部につながる排水路に接続する場所には堰を設けて増水時に生物が流されることを避けられるようにしていましたが、 そこに溜まった泥を上げました。
予想していたカワニナはなく、多数のミズムシ、昨年孵化したと思われるオニヤンマのヤゴ、ホトケドジョウなどが落葉と一緒に掬われました。


湿地
時間が経っても水が溜まる様子は見えませんでしたので、今回は諦めて帰ることにしました。 現時点での「取り返しのつく範囲」はここまでと判断しました。
帰り道、ハンノキ林下の湿地の状態を確認しました。
目標イメージの水面が広がっていました。 また、フリソデヤナギと思われるヤナギの花が咲いていました。 ハンノキも冬芽の硬い殻を脱いで芽吹き始めました。 先週の17日には芽も出していなかったコゴミは、既に展葉し始めていました。


タチツボスミレもあちこちで咲き始めました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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