生田緑地の谷戸の自然保全活動



モニ1000中大型哺乳類調査のためのタヌキ道調べ、セリバヒエンソウ駆除

日時 2016/4/25(月) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 中央地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美

モニ1000 中大型哺乳類調査は5〜10月に行います。 この準備として、過去にカメラを設置した定点付近の状態確認とタヌキ道を調べました。
月曜日は、青少年科学館、日本民家園、岡本太郎美術館が休館のため来園者が少ないと思って、この日を選んだのですが、新緑の季節であり、 オオルリやキビタキが来ていることから、バード・ウォッチャーが自然探勝路に多く見られました。
踏査を始めて、直ぐに、もう野生ランの開花の季節になっていたことに驚かされました。
保護管理をして、来園者が楽しめるようにしている場所に咲いてくれていると嬉しくなります。
生田緑地整備事務所付近に移植されているエビネが丁度開花していました。
雑木林の林床に咲くエビネは、どこも、倒木などの下敷きになっていたため、その場の倒木やアズマネザサを除伐しました。 倒木の影響はあったものの、何とか生き残っていました。
植物は生田緑地で咲いているのを楽しめばいいと考えてくれる来園者が、最近多くなっているように感じられます。 出会った来園者から、そんな話を聞いたりする機会が多くなっています。


飯室山では、カマツカが白い花を咲かせていました。 直ぐ近くにサワフタギも咲いていましたが、こちらは木が弱っているように思いました。


長者穴古墳付近にはミツバウツギが咲いていました。
神奈川県植物誌2001によれば、県内全域に普通とありますが、多摩丘陵では生育地は限られているという情報もあります。
生田緑地では、ここにあるだけかも知れません。
生田緑地は箱庭的だと言われることがよくありますが、植物や昆虫などから見ていくと、飯室山北側のエリアも、また一つの特別な場所に見えてきます。
こうした多様な環境のパッチワークが生田緑地の生物多様性を支える基盤であり、このことを理解した保全管理が求められていると考えています。

飯室山北側の探勝路沿いにはコゴメウツギが蕾をつけていました。
県植物誌には県内全域に普通の植物とあり、2010年に萌芽更新事例を見学調査した時に、某地では林床に蔓延って困る植物だと聞いたこともあります。 しかし、生田緑地では少ない植物だと思います。


野鳥の森ではキビタキの声に包まれてタヌキ道を調べました。 ここのタヌキ道は明瞭なのですが、実際に利用している個体は少ないことを昨年の調査で経験しました。

中央地区南側のエリアは大きなカメラを持ったバードウォッチャーが大勢いましたが、1ヶ所に集まっているわけではないので、オオルリを見つけられずにいるのでしょう。
このエリアの過去の調査地点を調べましたが、新しい痕跡を見つけられませんでした。

最後にホタルの里に回りました。
田圃付近のタヌキ道付近の草が部分的に倒れていました。 タヌキが戯れた痕のようです。

沢から田圃に引いている水の流量が落ちていました。
田圃の水も少なくなったように感じたので、アズマヒキガエルのオタマジャクシがどうしているかと見て回りました。
比較的水深のある水域で、オタマジャクシは元気に泳いでいました。
木道下を抜けるパイプ周りは素手で手を入れましたが、そこまでの水路部分の水漏れとなると素手では歯が立ちません。
オタマジャクシは、数日であれば待ってくれるでしょう。 草臥れてもいましたので、次回にすることにしました。
梅畑の柵には、シオヤトンボ♀が3匹止まっていました。
羽化してから時間が経っているようで、素早く逃げて、動きも俊敏でした。


野鳥班の水田さんと一緒に、芳美はセリバヒエンソウの駆除をしていました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation