生田緑地の生物多様性保全活動、

谷戸の水辺の水の管理、カナムグラ刈りなど

日時 2017/7/27(木) 10:00〜12:30 曇
場所 生田緑地 湿地、上の田圃〜下の田圃〜ヨシ原地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三

26日は久し振りに降雨があったので、先週は涸れかけていた水がどうなったか、少し期待もしながら谷戸に降りたら、ピクニック広場のエノキの大枝が折れて落ちていました。


ハンノキ林下湿地の水路は前回と同じ辺りに穴が開いていて、そこに水が消えていました。
これを塞いでから、水路全流程の泥上げを進め、1段目には水を行きわたらせることができました。
ヒメシロネが咲き始めていました。

2段目は 3つに区分けして管理方法を変えています。
東側の区画は、春に攪乱を行い、勢力を奮っていた強い植物を抑制して、当該湿地づくりの目的であった稀少植物(神奈川県絶滅危惧IA類)を保護管理しています。
先週同様、水は涸れていましたが、降雨のおかげで、土は湿っていて、葉を広げており、数株は花茎を伸ばし始めていました。
本格的に生田緑地の自然を保全する活動を始めた最初の場所であり、最初に復活させ、保護している植物なので、毎年、発芽するまでは気を揉まされています。


水は、今回も、 2段目の中央辺りで消えていましたが、見つけられていない穴から抜けて 3段目に流れ出しているようでした。
カナムグラ刈りも少し手をつけましたが、尋常な蔓延りようではなかったので、本格的なカナムグラ刈りは次回以降にしました。

3段目の 2段目側の端には水溜まりができていました。この水は 2段目から浸み出してきたものと思います。
そして、春に攪乱した範囲には、一年草のアゼナとタマガヤツリ?が多数見られました。
アカバナもありました。
葉上にはトゲヒシバッタがいました。


上の田圃に移動しましたが、下の段は湛水していませんでした。
下の段の入口付近に穴が開いていて、そこに水が消えていました。
これは塞ぎましたが、水は急には広がってくれません。湧水の流量を考えれば、上手く塞げたとしても、湛水するまでに 2〜3 日はかかるでしょう。

田圃の中央部は乾燥して固くなっていましたので、残してあった苗を植えてみましたが、既に、成長は遅れていて、差は歴然としていました。


残る時間は カナムグラ刈りを行いましたが、少し前に刈ったはずの場所に、大きく育っているカナムグラを見ると、無駄な努力を続けているような気がしてきます。

土嚢堰の上に、シオカラトンボ♂がいました。

ヤマトシジミが、セリの花で吸蜜していました。

木道の手すりに、ミヤマシラスゲの枯葉を材料にした蓑にくるまれたミノムシがいました。


ホタルの里整備事業によって造られた中央水路の流量計測用樋を水が流れていないため水環境調査ができなかったとの報告があったので、調べました。
この水路は側壁を板で造っているのですが、板の隙間から漏れた水が側壁に沿って外側を流れていることが分かりました。
そこで、外側に漏れ出す水量を減らして、水路内を流れる水量を増やし、計測用樋を水が流れるようにしましたが、流量を適当に振り分けただけのことです。
計測した流量が意味あるものにするためには、水漏れが始まる前の地点の流量を計測できるようにしなければならないと思います。
現在使用している樋は、モニ1000を始めた 2008年に、北部公園事務所の直営班がつくってくれたものです。
近いうちに、計測を意識した水路の部分的な改修を行わなければならないようです。

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