生田緑地の生物多様性保全活動

ヨシ原の池の泥上げなど
日時:2021/2/9(火) 10:00~13:30 
場所 生田緑地 ヨシ原地区(A08)、ハンノキ林地区(A07)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

環境省モニタリングサイト1000里地調査の一般サイト S067 生田緑地調査の水環境調査を担当している団員から、 先月の調査後に連絡があり、「ヨシ原の池に泥が溜まっていて、水環境調査ができなかった」とのことでした。
ヨシ原地区(B08)は、北部公園事務所からの相談を受けて、2007年2月に、枯れたヨシの上を覆う、フジや、カラスウリや、カナムグラなどと一緒に、ヨシを刈ってから保全活動を継続しています。
但し、刈る時期については、「冬の間は、小さな野鳥のために刈らないで欲しい」という野鳥班からの要望を受けて、春まで残すことにしました。
これは、若しかすると、ヨシの茎等の中で越冬している昆虫がいるかも知れませんので、多様な生物の生息環境保全することを考えるならば、適切なことだと思いましたが、 隣接地に居住している人にとっては、見苦しく感じかも知れませんので、外周部の幅 2~3mは夏季から刈っておくように留意してきました。

この初めてのヨシ刈りの時に、区域内の水位が高くて、ズブッ、ズブッと足が潜り、水も見えたことから、こんな場所に穴を掘っただけの池をつくったら、 どのような生物が棲むようになるだろうかと考えて、小さな穴を掘りました。
その意味から、水環境調査を始めた当初は、生物調査と一緒に実施していましたが、これはなかなか大変なので、水環境調査だけを、一人の班員に任せました。
そのため、このような連絡が入れば、何とかしなければなりません。
小さい池とは言っても、底土は次第に柔らかくなって、池の中に長靴で入るのは無理な状態になっていますが、 岸辺から届く範囲での泥上げなら長靴でもできるだろうと考えて、谷戸に降りました。

途中、上の田圃には薄氷が張っているのが分かりました。
最近、田圃周辺の木道で、如何にも、鳥見目的と思われる来園者がよく見られるようになっています。

さて、ヨシ原地区に入ってみると、水辺を、刈れたカサスゲやヨシが覆っていて、如何にも荒れて放置された感が否めませんでした。
ヨシ原の池は、確かに、泥溜まりになっていて、野鳥が利用できる水場にもなっていません。

そこで、まずは、長柄の立鎌を使って、池と水路の水辺の枯れたカサスゲや、池の中の枯れヨシなどを刈り取りました。
次に、ジョレンを使って、池の泥上げをしていきました。
欲張っても、一人で全域は無理なので、岸から手を伸ばして届く範囲に水溜まりをつくることを目的に行いました。
水路部分は、ジョレンで掬える状態ではなかったので、長柄立鎌を使って、水路内のカサスゲなどを刈りながら、落葉や泥を掬い、細い流れを確保しました。
しかし、当該地区内に積極的に水を引き込むことは適切ではないと考えて、谷戸中央の水路から滲み出してくる水を受け止めるだけにしました。







この日は、ハンノキ林のアズマネザサ刈りの続きも行っていました。



谷戸の最奥部、ピクニック広場東階段の改修工事のために、芝生広場経由で帰ることになりましたので、芝生広場上雑木林に立ち寄りました。
里山倶楽部では現在、芝生広場上雑木林の大径木の伐採を進めていますが、この雑木林の中には、特別扱いしたい、3~4月に開花する草本があります。
皆伐更新地区の活動では、樹林が形成されるまでは、草本は無視して、樹林育成を優先していましたが、当該地区では、できれば、この草本を保護しながら伐採更新を達成したいと考えています。
そこで、一部について、立入規制の印付けを行いました。


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