生田緑地の生物多様性保全活動


ハンノキ林の水辺保全、落枝の片付けなど
日時:2022/11/3(木) 10:00〜12:00
場所 生田緑地 ハンノキ林(A07-02)
参加者 岩田臣生、岩田芳美、井口 実、上路ナオ子、鈴木潤三、田村成美

夏から秋にかけての生田緑地の雑木林は、ナラ枯れによる大量の落枝がありました。
ハンノキ林でも、昨夏に枯れ始めた周囲のコナラ大径木が次々に枝を落としているほか、一昨年に枯れ始めたコナラの大木では、根返りして、ハンノキ林に倒れたものもありました。
今秋は、それら太い落枝の片付けにも追われましたが、この日は、本来の活動である水辺保全を行うことにしました。

ハンノキ林の水辺保全は、落枝ダムなどを使って、水溜まりをつくります。
水流を流れ易くするのではなく、流れ難くして、周辺を湿地にすることを考えています。
また、水溜まりをつくっておけば、渇水期でも、水が残っている可能性があるからです。

ハンノキ林の中央部、木道が集まっているロータリー?に荷物を置いて活動することにしました。

木道近くのメギが真赤な実をつけていました。


(A07-06)
ナラ枯れによって、ハンノキ林は明るくなって、ミヤマシラスゲは大きく、繁茂して、水流を埋め尽くす勢いです。
このミヤマシラスゲの茂みを割くように、水溜まりをつくっていきました。



(A07-08)
ハンノキ林と湿地地区の境界となる木道の際には、落枝を積んで、落枝ダムとし、ミヤマシラスゲが繁る、少し大きな水溜まりをつくります。
水辺保全には、林床から片づけたい落枝を利用しています。
ここは、かつてはスジグロボタルが棲息していた湿地ですが、雨が降らな夏に、長期にわたって水涸れを起こしたことで、消えてしまいました。
スジグロボタルは、長距離を移動することなく、生活圏域が狭いため、まだ復活していませんが、棲息可能な環境をつくるようにしています。




(A07-09)
アズマネザサ刈りも行いました。
ウメモドキが赤い実をつけた枝を広げていました。


(A07-03)
ハンノキ林の東端部、現在、伐採更新を始めた斜面の裾を流れる水流は、ハンノキ林の林床を湿地として保全するために重要な水辺だと考えています。
太い落枝が多過ぎるので、どのように水溜まりをつくるか、悩みながら進めました。
また、東側斜面から倒れた大径木のうち、枯れコナラに押し倒されたヤマザクラを根元近くで伐りました。
根返りしたコナラの方は、自然の力も借りて、時間をかけて、根ごと取り除く方向で考えようかと思います。



観察と水辺保全など
日時:2022/11/3(木) 12:00〜13:00
場所 生田緑地 上の田圃(B06)、下の田圃(B07)、湿地地区(B05)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

谷戸の湿地地区(B05)
一昨日、水漏れ補修を行いましたが、不安でしたので、湿地地区の水の状態を調べ、水漏れを見つけて、補修しました。
次回は、土嚢を使って補修しなければならないようです。
シロヨメナの花は盛期かも知れません。 スマホで撮影している来園者がいました。


上の田圃地区(B06)
上の田圃の下の段が湛水しているとは言い難い状態でした。
次回は、水漏れ穴を見つけて、しっかり補修し、水が土嚢の上から溢れる状態にしなければならないと思います。

下の田圃地区(B07)
下の田圃は湛水していました。
アオツヅラフジの実が黒くなっていました。


ハンノキ林(A07)
帰り道のハンノキ林でトキリマメの実が紅くなっていました。
ここに、トキリマメがあることは、今まで気がつきませんでした。
黄色い花が咲いていた時は、何となく、ノササゲだろうと思っていました。


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