生田緑地の生物多様性保全活動


ハンノキ林のアズマネザサ刈り  
日時:2023/3/9(木) 9:00〜12:00 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林地区(A07-01)
参加者 岩田臣生、上路ナオ子、鈴木潤三、田村成美、冨田健斗

谷戸へ降りる園路では、ヒヨドリ、キジバトなどの群れに会いました。
日差しは、すっかり春になっていましたので、毎年の活動である、ハンノキ林の林床のアズマネザサ刈りを行いました。

ハンノキ林南端部(A07-01)については、行政によるコナラ枯損木伐採によって傷めつけられた箇所を確認しながら、開花直前のモミジイチゴの林の枯木の除去とアズマネザサ刈りを行いました。
その結果、行政によるコナラ枯損木伐採は、伐採材運搬のために車両状の機械を当該林地に入れて、強引に道をつくって、伐採材を運搬したらしいと分かりました。
邪魔な枝は折って、それでも邪魔なら伐採して、ハンノキ幼木のために立てた支柱は踏み潰して、水路には伐採材を詰めて、その車両状の機械を走らせて、材を運搬するという乱暴極まりないことを したらしいと推測しています。
池の脇のハンノキについては、折れたので、伐ったという説明を聞きましたが、 問題は、何故、折れたのかということで、今回、調べてみて、それなりの幅員のある機械を使って、作業したのだろうと考えることで理解できました。

生田緑地では、自然保全のために、園路・広場以外は立入禁止にしていたはずです。
どうしても立ち入る必要がある時は、その行為について、自然環境保全管理会議(通称、自然会議)の承認を得なければならないはずだったと思います。
調査については、そのような手続きを踏んでいたと思います。
それは、枯損木伐採についても、同様でなければなりません。
自然会議の会員であるばかりでなく、事務局でもある生田緑地整備事務所は、当然理解していることであり、 実際には、業者に発注して行うとしても、このことを遵守しなければならないはずです。
自然会議の事務局としては、当然、何のために、そのような取り決めを行っているのかは承知しているはずなので、 業者に施工させる場合には、事前に、当該業者に対して、必要な説明を行っていなければならないと思います。
また、実際の施工が適切かどうかを把握しているべきだと思います。

ハンノキ林地区については、調査団水田ビオトープ班では、2006年末から、樹木調査を始めて、棲息している生物が今後も生き続けられるように、その棲息環境を保全する活動を行ってきました。
活動は、観察した生物や水の状態などを調べて、植物一本一本を管理するような細かい作業を、少しずつ、繰り返し実施することを継続してきました。
現地を調べないで、枯損木を伐採して、運べば、それだけで良し、植物や水辺がどうなろうと問題ないとする行為は許せません。
材の置き場所については、当初、全てを生田緑地外に運び出すことが条件だと聞いたので、そのコストは馬鹿にならないと思い、提供した場所です。
まさか、伐採材を置くために、ハンノキを伐採してしまうとは思いもしませんでした。

一昨日(3/7)に、水路を埋めていた土などを取り出して、水が流れるようにしておきましたので、乾いていた林床の水溜まりに、僅かながら水を確認できました。





その他の木道の内側(A07-02, 03, 04, 06)についても、全員が離れ離れになって、アズマネザサ刈りを行いました。
これは、毎年、数回かけて行っていることなので、次回以降も行うつもりです。










林床には、少し増え過ぎたと思われますが、ミヤマカンスゲが開花していました。


ハンノキ林上の池には、出遅れたアズマヒキガエル(オス)が5〜6匹集まっていて、水辺で騒いでいました。

帰り道では、新人がいたので、咲き始めたアオイスミレの観察を行いました。
昨年末のアズマネザサ刈りと落葉掻きが不十分だったせいか、花数は少なかったように感じました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation