生田緑地の生物多様性保全活動


下の田圃の代掻き、上の田圃の代掻き  
日時:2023/4/13(木) 9:00〜12:10 晴
場所 生田緑地 下の田圃(B07)、上の田圃(B06)
参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美

下の田圃は、2004年4月に、自然に手をつける活動を行う班として、水田ビオトープ班を新設して行った最初の活動で再生したものです。
田圃づくりは、土壌動物班が発案して、事務局が北部公園事務所に相談して、許可されたものなのですが、小さな田圃でも、土日しか活動できない数人の団員でつくれるようなものではありませんでした。
2004年の 4月から 5月にかけて、私は自宅から毎日通って、チゴザサの根が絡み合って、厚いカーペット状になったものを、スコップでブロック状に切り出して、泥は田圃に落として、 田圃の中につくらなければならなかった畦の骨材として積み重ね、そこに土を運んで来て、畦づくりを行いました。
チゴザサの根の中には、ミカドガガンボの幼虫が棲んでいたので、彼らを保護する場所もつくりながら、水域を広げて、田圃をつくりました。
作業に疲れたら、出来たばかりの木道の上に寝転がって、風の和音、木々の葉が擦れる音、虫の羽音などを聴いて、溜まっていた心の疲れや作業の疲れを癒してもらいました。
一方で、残念ながら、田圃づくりは自然破壊だと考える団員からの嫌がらせも受けていましたが、この 2ヶ月間ほどの体験で、生田緑地の自然を守るために、できるだけのことをしようと決意することになりました。
かわさき自然調査団にしかできない、米作りを目的としない、動植物の棲息環境としての田圃づくりを行ってきました。
下の田圃は膝上まで潜ってしまう深さなので、活動にはウェイダーが必要です。
しかし、私にとっては、様々な思い出に溢れた場所で、保護している植物もあり、生きものとの出会いが楽しめる場所なので、一人で活動することは苦労ではありません。

活動としては、最初に、畦沿いに泥を掘って、畦上に上げて、畦を補強することにしました。
同時に、伸びだしたヨシなどは刈って、水面にいていきました。


木道から離れた場所まで進んだら、アズマヒキガエルのオオタマジャクシが群れていました。
下の田圃では、アズマヒキガエルの卵塊を見ていませんでしたが、水が滞留している奥の方で、産卵していたようです。


今回は、田圃として使う範囲を、今まで以上に狭くして、多摩丘陵在来の水辺の植物のための水域を広く、確保することにしました。
湧水のある田圃環境に依存する生きものたちに棲息してほしいと思います。

アゲハチョウが 3頭、飛来して、長時間、吸水していました。
一ヶ所に集まって吸水していたので、その辺りだけ、今回は代掻きをしないで残すことにしました。



キジバトが住宅地側の斜面に飛来しました。
地面で、何かを啄んでいるキジバトは見慣れていますが、このような枯れツルに、何をしに来たのかと気になりました。


私は個人的な理由で、活動開始時間を 9時にして、先に活動を始めましたが、皆さんは、今まで通り、10時で良いと思います。
上の田圃は、後から来る、経験の長い二人に任せました。
保全活動の継続性のためには、自分で考えて活動できる団員が増えることが必要だと思います。
上の田圃は、できるだけ任せていきたいと思います。




かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation