生田緑地の生物多様性保全活動


谷戸の水の状態点検と保全  
日時:2024/8/8(木) 9:00〜12:00
活動参加:岩田臣生、伊澤高行
場所:生田緑地 湿地地区、上の田圃地区など

夏の間の水涸れは避けなければならないので、猛暑だからこそ、水の状態点検・補修は欠かせません。
生田緑地はミンミンゼミの合唱が煩くなりましたが、暑過ぎるためか、出会える昆虫は少ないように感じています。
谷戸では、オオタカの幼鳥とコジュケイの声が聞こえていました。

(湿地地区)
 9:29 気温 29.7℃、湿度 77.0%、暑さ指数 WBGT 28.2(厳重警戒)

ハンノキ林から引いている水路は涸れてはいませんでしたが、今日は泥上げをしておくつもりで、スコップを持って降りました。
昨日の多摩区は雨にならなかったようで、流量は期待外れでしたが、大きな水漏れ穴は見つからず、水は流れていました。
この水路の底質は砂泥なので、オニヤンマの棲息場所としては良いはずなのですが、サワガニが棲みついていて、他の生物の棲息を阻んでいます。
水路の泥を上げる度に、大小様々なサワガニが逃げ回っていました。
昨年から、水漏れ穴に土嚢を置いて、水漏れ補修を行うようになってからは、大きな水漏れ穴を開けられることは少なくなったと思います。
ただ、土嚢と土の境界面には穴を開けられるので、頻度は少なくしても、夏季の点検は欠かせません。
今回は、木道側のアズマネザサ刈りも行い、木道側に水路を少し広げて、その土を谷側の岸に寄せて、水路の補強を行うようにしました。





木陰はまだいいのですが、直射日光が当たると辛くて、一時、竹林下デッキのベンチに避難して、少し休憩しました。
湿地地区を眺めていると、ハンノキがすっかり大きくなっています。
これは伐採して、萌芽更新した方が良さそうだと考えていたら、小さな野鳥の群がやって来て、暫く、賑やかに騒いでいました。
考えてみれば、この20年間、湿地にするための様々な工夫を繰り返してきましたが、湿地になったと思うようになってからの10年間は、攪乱することを忘れていたと思います。
出会える植物や昆虫の種数が減っているような気もします。
里山の生物多様性は、適度な攪乱が重要だということを思い出しました。

 10:02 気温 29.4℃、湿度 80.4%、暑さ指数 WBGT 27.6(警戒)



湿地地区の水の状態を点検し、問題ないと判断して、上の田圃地区に移動することにしましたが、 湿地地区の2段目は暗くなっていると、改めて、感じました。
この湿地地区は明るい湿地にしておくべきだと思いますので、やはり、ハンノキの伐採は行って、明るくして、攪乱もしてあげないといけないと思いました。


オニヤンマが、谷戸の中をゆっくりと飛んでいました。

(上の田圃地区)

 10:50 気温 29.8℃、湿度 82.4%超、暑さ指数 WBGT 28.2(厳重警戒)

上の田圃は、伊澤さんが、田圃の土嚢堰の辺りにあったという水漏れ穴の補修を済ませてくれていました。
上の田圃への導水路は、やはり少ない流量ながら、流れていました。
全身泥まみれになった伊澤さんの報告を聞きながら、任せられる班員が現れたことに感謝しました。
そうそう、箱ワナにかかったアライグマを初めて見たという報告もありました。
一つの箱ワナに2頭入っていたというので、子どものアライグマかも知れません。
生田緑地では、2014年6月に、市民からの通報で、アライグマの侵入が確認され、駆除活動が始まりました。
駆除活動が10年になることを確認することになりました。

一番気になっていたのは、田圃のイネのことですが、出穂し始めたことが確認できました。





下の段の水は殆ど涸れていました。
疎らだったイネも、漸く、田圃らしくなってきました。
私たちの田圃は、農業ではないので、これでも、里山の自然学校の稲刈り体験は可能だろうと思います。

上の段の田圃の土嚢堰は泥まみれで、伊澤さんの格闘が想像できました。
水は堰の下には落ちていませんでしたので、下の段の水がどうなるか、現状からは不明でした。
ただ、田圃の水が消えかけた状態でしたが、アメリカザリガニの姿は気がつきませんでした。





田圃の周囲は草むら状態でしたが、その中で、カントウヨメナ?が咲いていました。

田圃には、シオカラトンボ(オス)が縄張りを見張っていました。


梅ノ木広場のベンチで休憩してから、整備事務所裏に戻りました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation