谷戸の水辺保全など
【2025/6/19 更新】

谷戸の水辺保全など
日 時)6月19日(火) 8:50〜11:00 晴
場 所)生田緑地 湿地地区、上の田圃、城山下谷戸合流部
活動者)岩田臣生

天気予報は、梅雨の中休みだというけれど、余りの高気温ですので、谷戸の湿地地区や上の田圃は、水涸れを起こしていたら大変なことになります。
高齢者にとっては、活動は休んだ方が良い天気ですが、少なくとも、水涸れを起こしていないことの確認と、水涸れを起こさない状態の確保だけは、 行わなければならないと思います。
一昨日、6/17(火)の活動では、そのために、水漏れ穴を塞いで、水涸れを起こさないための活動を行いました。
その結果の水の状態を確認することが、この日の第一目的です。
そこで、ジョレンとイネワラ2束を持って、谷戸に降りました。
ハンノキ林の水辺では、水涸れを起こし始めている所もありました。
ハンノキ林西の池は、来週、堰だけでも手を入れて、水漏れを止めて、水が消えないようにしなければならないと思いました。
湿地地区に入りました。
ハンノキ林からの水流は、一昨日、6/17(火)に、水漏れ補修の活動を行いましたが、その成果は維持されていました。
竹林下の水流近くに、ヤマサナエがいました。

竹林下水流の水も、湿地2段目に入っていました。
湿地2段目の植物保護池の水は少ないながらも涸れてはいませんでした。

それよりも気になっていたのは、一昨日(6/17)の活動では湛水を確認できなかった、上の田圃の下の段の水の状態です。
生きもののための田圃だとは言っても、里山の自然学校の子どもたちが稲刈りを行うためには、それなりに稲が育ってくれなければなりません。
短期間の水涸れでも育ってくれますが、湛水していないと、オオアメンボが困ると思いますし、田圃の水の中で、ザリガニ以外の多様な生物が生活するようになって ほしいと思っていますので、普段は、水深10cmぐらいの水域であってほしいと思います。
上の田圃は湛水していました。
上の段も、下の段も、水面が広がっていて、下の段の土嚢堰の上から、水が越水していました。
一昨日は、水漏れ穴を全て補修できたかどうか、自信が無かったので、結果が見られるまで1日以上かかるのは、精神的に苦痛でした。
シオカラトンボが数匹、飛んでいました。




ここまでで、今日の活動は終えても良かったのですが、まだ9時25分です。
天気予報は猛暑予報でしたので、気温の比較的低いうちに活動を済ませて帰ろうと考えていましたが、 一昨日の水漏れ補修が成功していたことで嬉しくなり、まだ、然程、暑くもなっていなかったので、城山下谷戸合流部の活動を行うことにしました。

城山下谷戸合流部の活動は2つ考えています。
(1)稲目谷戸右岸の水流に、トンボなどが利用し易い、水深の深い場所をつくること
(2)20年程前のように、コケ類が繁茂する湿地をつくること

(1)
ホタルの里整備事業では、谷戸右岸水流から取水して、谷戸の中央部に水路を造成しました。
この取水装置の中が狭いながら深い水域になっていたのですが、そこで、コオニヤンマのヤゴのような形状のヤゴを観察しました。
その経験から、水流の一部に、深い場所をつくることで、この谷戸に普通ではないトンボの棲息を促すことができるかも知れないと考えました。





(2)
20年程前の谷戸のホタルは、この合流部で、最初に光り始めていました。
芝生広場北側の谷部分になり、この斜面の樹林が暗い環境をつくってくれて、ホタルの成虫が日中、過ごす場所となる可能性があります。
6月の日中でも暗い樹林となる斜面、空中湿度を高めてくれる湿地、産卵場所にもなりうるコケ類の繁茂、蛹化場所になれる斜面裾部などが目指す植生管理目標です。
まずは、田圃状の浅い水域をつくって、通年湛水し、苔類の繁茂を促すことから始めています。
供給する水は、城山下谷戸の上流から流れて来るもので考えていますが、この水流が常時、流入するようにすることが大切です。
今回は、この水流が確実に届くように、水路の泥上げから始めました。


その流れを受け止める形で、浅い田圃状の水域を掘りました。
崩れた泥岩と砂が混ざったような土質でした。
昨年は、スジグロボタル成虫が数匹、観察できましたので、水涸れしていない水辺にできれば、水辺の生物の棲息環境の再生になると考えています。

猛暑予報が発せられていますので、この日の活動はここまでにして、帰ることにしました。

かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation

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