ハンノキ林の水辺保全
【2025/9/11 更新】

ハンノキ林の水辺保全
日 時)9月11日(木) 9:00〜12:00 晴
場 所)生田緑地 ハンノキ林地区
活動者)岩田臣生、田村成美

環境省の特定植物群落に指定されている生田緑地ハンノキ林の植生管理計画には、ハンノキ林の樹林としての保全ばかりでなく、 林床の水辺に棲息する生物の保護のための水辺保全も合わせて行うこととして、当調査団を植生管理主体に定めています。
今夏の高い気温と少ない降雨量に対して、水辺の水面を保全するべく努力しつつ、少し長期戦での対応策も考えながら、水辺保全活動を行っています。
ハンノキ林は一つの谷底という区域として扱ってきましたが、9/9(火)の活動では、水域としては、右岸(東側)と左岸(西側)に分かれていることを認識させられました。
そして、左岸(西側)は、ハンノキ林西の池が、最奥部の溜め池として、水源の役割を果たしていて、水は涸れていません。
しかし、右岸(東側)は、ハンノキ林上の池の水が少なくなり、最奥部の水源としての役割は果たしていなかったため、水涸れが起こっていました。
今回は、次図の活動場所図にある(05)に入って、状態を観察し、何をすべきか、何ができるかを考えて、最奥部の池をつくることにしました。


(図)9/11(木)の活動場所図(青線は水域の境界)

ハンノキ林
アクセスは、ハンノキ林上の池からオーバーフローした水を追うようにヤブコギをして、合流点(05)に入りました。




ハンノキ林東地区の下の谷部は、萌芽更新地区北端部が一番奥に見えます。
その谷に入りました。




9/6(土)の里山倶楽部のハンノキ林東地区の活動中に、斜面下の、水面が消えている谷底に入って、 水が染み出しそうな場所に試し掘りをしたので、そこを調べました。
すると、斜面からは、水が染み出していました。

ミヤマシラスゲの繁茂する谷底部では、水が溜まって、オオスズメバチが吸水に来ていました。


オオスズメバチ

量は少なくても、水が染み出しているということに安心しました。
地表に水が見えていなくても、染み出してくる水があったので、若しかすると、大事な生きものが生き抜いてくれているかも知れません。
狭い谷で、その中央に、太いハンノキがありましたので、このハンノキの少し上側に堰堤をつくって、小さな溜め池をつくることを考えました。
この両側の斜面は、ナラ枯れ大径木を伐採して、その伐採材を斜面裾部に置いていました。
この伐採材を引っ張り出して、堰堤を造ろうとする場所に並べてみました。
伐採材は、腐植が進んでいましたが、まだ沢山残っているはずです。
オオスズメバチが飛来して、偵察を始めました。
これからは、度々、吸水にも、偵察にも、来るでしょう。
作業は、静かに進めた方が良さそうです。
今回は、土を寄せることは行いませんでしたが、活動の方向については決心できました。








ハンノキ林西の池付近の木道に出て、休憩しました。


湿地地区
左岸(西側)の水流は順調で、湿地地区への水路には水面ができていました。


上の田圃地区
上の田圃地区には、少ないながら、水はあり、穂が黄金色になってきました。


下の田圃地区
水面は回復していました。

かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation

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