生田緑地の植生管理

2010年度第1回市民部会
《皆伐更新を考える》


日時 2010/4/6(火)13:00〜15:00
場所 生田緑地飯室山南地区
参加 倉本 宣・生田緑地植生管理協議会会長
   多摩区役所道路公園センター(山口・井上)
市民部会事務局 岩田臣生、岩田芳美

暖かな陽気に誘われて、生田緑地には花見客が大勢訪れていました。

多摩区役所道路公園センターから生田緑地担当に来てもらい、倉本会長に現地を見てもらうことにしました。 皆伐更新についての可能性の判断と今後の進め方について話し合うためです。

地図とは違って、現実の地形は尾根も痩せています。 地面に1辺5mの方形区を描いてみるといかにも狭く感じます。 コナラの高木は樹高15mを超えるのに、南北方向20m、東西方向(尾根の両面にわたって) 15m程度では十分な日照が得られて更新できるかどうかの判断は難しいと思います。
皆伐更新を計画する目的は、生田緑地の中に若い樹林の場所をつくることです。
生物多様性保全という視点からは、ウラナミアカシジミに代表されるような若いクヌギ林が無いと棲息できない生物のために棲息環境を保全するためです。
別の視点では、生田緑地全体の樹林の更新を計画するための第一歩としての実験的な意味です。
今、話題の「ナラ枯れ」の問題は、里山の雑木林が伐採利用されなくなって老熟化しているために全国的に広がる危険性を孕んでいます。 老熟した樹林だけで構成されていた場合、カシノナガキクイムシが入り込むことで短期間に全滅するということが起こらないという保証はないのです。 そういう意味からも計画的な樹林の更新が必要になります。
公園として魅力的な景観を保持しながら、生田緑地に生存している様々な生物が生き続けられるように配慮しながら、雑木林の更新を図らなければなりません。

今後の進め方について
1)当該地区については、設定した調査方形区の外側も含めて植生調査を行うこと
2)当該地区の南側、民地境界に接した場所について可能性を検討すること
3)萌芽更新事例の調査をすること
4)ナラ枯れについての調査をすること

生田緑地は園路沿いに様々なスミレ類が咲いているのが見られます。 次は、ニオイタチツボスミレ、オカスミレ、コスミレです。
ニオイタチツボスミレ オカスミレ コスミレ

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