生田緑地植生管理協議会市民部会
里山倶楽部
第14回《萌芽更新地区の樹木の伐採ササ刈り》


日時 2011/1/22(土)10:00〜13:00 晴
場所 萌芽更新地区 A06  参照:植生管理区分図
参加 杉内夏彦、長岡泰造
   (生田緑地の雑木林を育てる会)白澤光代
   (かわさき自然調査団)飯室 健、小泉恵佑、佐藤利奈、前田 宏
   (多摩区道路公園センター)山口泰民
   (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美

今年度第14回里山倶楽部は、萌芽更新地区の樹木の伐採を行いました。
前回、初めて参加してくれた一般市民2人が再度参加してくれました. 活動場所が同じということもあると思いますが、里山ボランティアの経験が無くても楽しんでもらえているということだと判断しています。
活動内容を説明して、ヘルメットとノコギリを持って萌芽更新地区に向かいました。
活動対象区域は萌芽更新地区と呼ばれている区域の1/3程度の範囲です。 その範囲をコナラ、クヌギを優占種とする若い雑木林にしようとしています。 今回は、コナラ、クヌギが生育しやすいように、大きくなってしまったムクノキとシデを1本ずつ伐採しました。
雑木林は先に大きくなったものが勝つ社会です。 この戦いに負けたコナラやクヌギは大きくなれません。 何本か枯れたコナラが見られました.
今回伐採しようとしている樹木はいずれも2〜3年前に伐採することを話し合い、印づけをしてあった樹木です。
その伐採対象樹木のうち一番大きなムクノキのところに集合しました。
作業の安全と楽しい活動にするために1本の樹木に全員で取り組むことにしました。
忘れていた自己紹介をここで行ってから、伐採の手順について説明しました。

その後、交代でノコギリを入れていきました。 疲れを感じないうちに交代するのがいいと思います。
予定していなかったのですが、順番を待っている人たちが周辺のササ刈りを始めました。

ムクノキがゆっくり倒れ始めました。

ムクノキは園路に近かったため、倒れたムクノキが園路を塞いでしまうことは分かっていました。 ムクノキが倒れると同時に全員が倒れたムクノキに集まって、枝を切り落とし、次々に片づけていきました。
号令をかけたわけではないのに、まるで食べ物に群がるアリのように集まって、思い思いに枝を切り落として、カントリーヘッジに積んでいきました。
この間、来園者一人には萌芽更新地区上側の園路に回って戴き、一人には何故伐採しているのかについて話し続けていました。
急いで園路の通行を可能な状態にしたところで、休憩をとりました。

中盤の休憩の後に片づけ作業を再開しました。

幹の部分の片づけも力を合わせて行いました。

片づけが終わり、作業がムクノキキの伐株の伐り直しだけとなったところで、シデを伐り始めました。
この狭い範囲では一番大きな樹木になっていました。

伐り直しも交代しながら行いました。
ムクノキが萌芽更新できるかどうかは分かりませんが、蘖(ひこばえ)が出てくるようであれば、それもあっていいと考えています。

伐採したムクノキの断面は綺麗で、年輪の間隔が大きいことが一目で分かります。 幹は太い樹木でしたが、樹齢は若く、10数年、萌芽更新地区として伐採された後にいち早く育った樹木であることが分かります。
萌芽更新できるかどうか、春以降、観察していきたいと思います。

シデの方は苦戦しているようでした。

シデが倒れ始めました。

上手く立ち木の間に倒すことができました。

早速、片づけ作業が始まりました。

伐られたシデは枝先に冬芽をいっぱいつけていました。その様を見ていると可哀相なことをしたという気持ちになってしまいます。
(これはイヌシデとされていた樹木でしたが、冬芽を間近に見た結果、形が皮針形で色が赤みを帯びていましたのでアカシデではないかと思います。 確認したいと思います。)

片づけを進める一方、幹の伐り直しも行いました。 これも、できれば萌芽更新させてやりたいと思います。

切株の表面は非常に見難く、年輪を数えるのは困難でした。 ムクノキより直径は小さいものの、年輪の間隔は狭く、同等以上の樹齢と思われました。

2本の大木を伐採しました。 今年の春〜夏はモニタリングをしっかりやらなければと思います。
その前に、里山倶楽部とは別に冬の間にササ刈りをしておかなければならないでしょう。

最後にお茶を飲みながらの雑談会となりました。 幸い、小春日和に恵まれ、楽しく活動することができました。
2年前に市民部会の活動としては初めて樹木の伐採を行いましたが、その時は不安なことばかりでした。 それから何回か経験するうちに直径30cm程度の樹木も、素人の市民が伐採することは可能だと思えてきました。
10人で2本というのは、効率的とは言えませんが、樹木を伐り倒すことを堪能することができます。
萌芽更新ができたとしても、それまで我が天下とばかりに枝葉を広げていた樹木を一番弱い立場に引きずり下ろすことです。
萌芽更新ができなければ、命を奪うことです。
それだけの重みを体に感じながら活動しています。
大きな望遠レンズをつけたカメラを持って園路を通りかかった何人かが、樹木を伐採していることに対して苦情を言っていたようです。
この日の活動場所については、萌芽更新地区として若いコナラ、クヌギ林を目指していますが、野鳥を排除しようとして活動しているわけではありません。
基本的には、野鳥だけではない多様な生物が棲息し続けられるように、 里山として必要と思われる適度な管理を目指すということを、活動場所に関わらず、考えています。
確かに、活動中は、その場所での野鳥観察はできないかもしれませんが、それは一時的なことなので勘弁して戴きたいと思います。

生田緑地植生管理協議会市民部会のメインページへ

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation