里山倶楽部
【2023/4/22 更新】

令和 5 年度第 3 回里山倶楽部
<飯室山南地区のアズマネザサ刈り、モウソウチク除伐など>

日時 2023年4月22(日) 10:00〜13:10 晴
場所 生田緑地 飯室山南地区(A14)
参加者 東 陽一、伊澤高行、岩渕裕輝、加登勇司、北川英樹、佐藤優子、野下智洋、村上忠義、
    吉澤正一
事務局 岩田臣生・・・10 名

現在、生田緑地は、ナラ枯れによる危険を回避するために、幾つかの地区の通行が禁止されています。
昨年度、一応、危険木の伐採が行われたのですが、重要視されていなかったハンノキ林などは、今年度中も、アクセスできないことになっています。
木々の芽生える、気持ちの良い季節を迎えて、中央地区北側の谷戸を歩きたいという来園者も多いと思います。
ナラ枯れが起こらないように、コナラを植えない方が良いという意見も聞こえてきますが、それは、生田緑地の生物多様性を否定することに繋がりかねないと思います。
1998年末に伐採して整備しようとした萌芽更新地区での萌芽更新の失敗は、生田緑地の雑木林のコナラ・クヌギが老齢化していたためだろうと推察されます。
老齢化して、弱体化しているコナラが、カシノナガキクイムシの侵入に耐えられなかったのは止むを得ないことだと思います。
2008年は、この萌芽更新の失敗を確認した年でありますが、また、日本海側で広がっているナラ枯れについて知った年でもありました。
そして、老熟した雑木林も大切だが、若い雑木林をつくっていくことも大切であり、可能な範囲での伐採更新が必要になると確信しました。
しかし、萌芽更新地区整備の失敗は、行政仕事、つまり業者委託によってできると考えたことに問題があったと思います。
自然の保全管理には、時間がかかるということを認識しなければなりません。
仕事としてではなく、市民が楽しめる余暇活動として考えないと上手くいかないと思います。
飯室山南地区では、20m×20m の範囲の皆伐を計画し、その範囲の皆伐は北部公園事務所の予算で実施し、その後の更新管理を市民活動である里山倶楽部で行ってきました。
それは、市民活動による皆伐更新が可能か、どのように行えば更新できるか等々を探る試みでした。
この更新管理は、埋土種子から発芽した実生を育てることで、コナラ若齢林と言える雑木林をつくれることを明らかにしました。
この経験を通して、生田緑地の雑木林の林床には大量の埋土種子があることを知りました。
2014年には、皆伐更新地区の北側〜東側に隣接する雑木林に侵出しているモウソウチクの除伐を始めました。
2020年には、東側の雑木林のモウソウチクの除伐を行いながら、アズマネザサ刈りも行うようにしました。
里山倶楽部は大径木伐採も行えるようになっていたので、2022年1月には、東側隣接地の急斜面のナラ枯れ大径木伐採を行い、皆伐更新地区の拡張を試みることにしました。
このように、飯室山南地区は、皆伐更新地区を核に、斜面下方に向けて、雑木林の再生に取り組んでいます。

この日の課題は、次のようなものなので、各自の気持ちで、好きな活動をしてもらうことにしました。
@皆伐更新地区のアズマネザサ刈り
 皆伐更新地区は若齢林になって、林床のアズマネザサの成長は衰えています。
A拡張区域は、昨年から発芽した実生を育てています。
 実生周りのアズマネザサなどを刈ります。
B隣接雑木林のモウソウチク(筍)除伐、アズマネザサ刈り
 陽当たりの良い尾根上では、コナラ実生が育っていますので、それらの周囲のアズマネザサを刈ります。
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皆伐更新地区の雑木林の端に集まって、休憩し、活動記念の集合写真を撮りました。
若齢林と言っても、樹種によっては、かなり太く育っていることが分かると思います。
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皆伐更新地区の拡張域は、アズマネザサが繁茂していますが、コナラやヤマザクラの実生が育っています。
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絶滅危惧種が咲き誇っている中での活動であり、少し活動すれば反応してくれそうな場所が続いているので、ついつい夢中になってしまう、楽しい活動でした。
かつて、皆伐更新地区の計画時に、範囲の拡張について思案していた時は、悩むばかりでしたが、今は、あれをしてくれ、これをしてくれと、自然が語りかけてくれているような感じがしています。
園路から見えないということで選定された場所でしたが、14年ほどの活動を通して、間違いなく、ナラ枯れ後の雑木林の再生拠点の一つになると確信しています。

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